柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

山際監督の誕生日

今日は、私が『俺はあばれはっちゃく』『男!あばれはっちゃく』で一番大好きな監督である、山際永三監督の82歳の誕生日です。山際監督については、『あばれはっちゃく』の初代〜5代目まで脚本を務めた脚本家の一人三宅直子さんが30分ものでも、1時間並の原稿の内容を書くように指導されたと語っています。(これは、2012年に行われた『あばれはっちゃく同窓会』でそう語っていた事をツイッターで酒井さんが聞いたとして、ツイートされていました)それを知り、以前、市川大河さんから頂いた山際監督のインタビューの中で、山際監督が語っていた話と符合すると感じました。そのインタビュー部分が以下の内容です。

『『コメットさん』をたくさんやって僕は子ども向けの30分番組というそれの作り方をほぼ覚えたと時期でしたね。橋本さんとやっているとね ほかの人(脚本家)達が、30分物なら200文字原稿用紙で
80枚くらい(脚本)を書いてくるんだけど、僕はね、100枚はなくちゃいけないと。シナリオはむしろ長く書いてもらって、詰め込む作り方をして30分物でもね、ちゃんと起承転結があるというね作り方みたいなものを覚えたんですよ。』

実際、山際監督の作品を見ていると、確かに内容が凝縮していて、起承転結がしっかりとしています。『俺はあばれはっちゃく』の1話(脚本:山根優一郎氏)がその典型でひらめいた!(ドラマを見て分かる設定1) - 柿の葉日記、他の話を見てもそれがある事が分かります。それを見ると、ただ、だらだらと書かせているのではなく、内容を濃縮させて書かせているという事も分かるのです。そうすると、話の情報量は多くなるのですが、見た後で疲れるという事がありませんでした。それは、山際監督がその多い情報を自然に無理なく画面に登場させ、話を進めているからです。これは、市川大河さんに教えてもらったことですが、山際監督は多くの情報を手前と奥を使って同時処理させる手法をとっているからなのだそうです。それに気をつけて山際監督の作品を見ると、確かに奥行きを使っている事に気がつきます。

例として挙げた2枚の写真は『俺はあばれはっちゃく』52話(脚本市川靖氏、監督山際永三氏)からですが、1つの画面で左の方では、手前で長太郎達が火に当たり、濡れた身体を乾かして、ヒトミちゃん達が3人の無事を喜んでいる姿と、奥では佐々木先生が、三ツ色すみれとその担当者を叱っています。右では、一件落着して桜間家を訪れた三ツ色すみれと担当者、それを出迎えた長太郎とてるほ(てるほはこの画面では長太郎の後ろに隠れてますがその前の映像で一緒に出迎えているのがわかります。)、その訪問にどうしたんだ?とそれぞれ居間と台所から出てくる父ちゃんと母ちゃんがいます。右の方ではこの後の流れで巧く、それに呆れる父ちゃんと母ちゃんの動きがあり、てるほをからかう長太郎の流れがあって、話の流れがスムーズに進みます。山際監督は1場面で多くの情報を詰め込んでも、流れの中で自然に入れてきて、それが融合した時に情報が盛り沢山になった後で、はける時にも、話の流れを作って、はけさせていくので、見ていると自然にそれが、綺麗に入ってきて頭に残ります。これを見ると映像は話の流れである事がよく分かります。

また、山際監督は4代目ヒロインまゆみちゃん役の水沢真子さんと『あばれはっちゃく』とは別のドラマで一緒になった時に(このドラマは水沢さんが初めて主演を演じた単発ドラマ)「台詞は一字一句覚えてこなくてもいいから、話の流れは覚えてきてね」と語られたと、水沢さんが自身のブログに書かれてましたが、山際監督が自然な流れを大切にされていたと思わされる話です。実際に52話の台本と完成された作品を見ると、台詞の意味は変ってなくても、微妙に台詞が変わっているのが何箇所かあります。また、台本の場面転化と映像作品の場面転化が違う所がありますが、見比べると、完成された作品の方が場面転化も台詞も自然でストレスが減っています。山際監督は大きく脚本を変えることはなく、基本的には脚本通りに撮っていく方だと、52話の台本と完成された作品を見て思いますが、より自然により見る方のストレスをなくす映像つくりをしているのだと感じました。

だから、山際監督の作品は見ている方も情報が沢山あっても処理できるし、内容が凝縮しているから、見た後の満足感があって、自然の流れを重視しているからこそ、ストレスなく作品を楽しむ事が出来るんだと思います。ともあれ、『俺はあばれはっちゃく』のメイン監督であり、『あばれはっちゃく』の基礎を作り上げたのは、間違いなく山際監督で、その監督が現在もお元気でご健在である事はファンとしてとても、嬉しく、心強く思います。その山際監督の82歳の誕生日である、今日を心の底よりお祝いをし、いつまでも、お元気でいて欲しいと願っています。山際監督、お誕生日おめでとうございます。

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