柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

初代長太郎の同級生達

今回は、『俺はあばれはっちゃく』でレギュラーとして出演していた長太郎の同級生達を改めて紹介したいと思います。

宮村ヒトミ(早瀬優香子さん)

長太郎が恋する同級生。原作のヒトミちゃんは、長太郎が5年生の時に転校してきた転校生で、ヒロシという弟がいます。
ヒロインが転校生であるという原作の設定は、4代目『痛快あばれはっちゃく』のヒロイン春日まゆみちゃん(水沢真子(なおこ)さん)の方で使われていますね。

ドラマのヒトミちゃんって、最初は意地悪で勝手な印象があるんですが、段々と長太郎を理解してくれる優しさと、それでも長太郎が駄目な時は、駄目だとはっきり言ってくれる女の子になっていきますが、原作のヒトミちゃんは最初から、長太郎に厳しいとこはあっても、長太郎が疑いをかけられた時はしっかりと弁護してくれて、正義感が強くて優しいくも手厳しいヒトミちゃんなので、印象として原作のヒトミちゃんの方が優しいという感想を私は抱きました。

ドラマのヒトミちゃんもこのブログで、何度も書いてきましたが、中盤から原作のヒトミちゃんの良さが出てきたという感じがします。

沢田公一(妹尾潤さん)

長太郎の一番の親友。八百屋の息子。母子家庭。原作の公一は色白で女の子っぽい男の子です。家は八百屋を営んではいませんし、ドラマのように母子家庭という描写もありません。原作の「ニャゴニャゴ作戦」で登場しますが、特に長太郎の親友として書かれていません。

原作のヒトミちゃんは猫を飼っていますが、その件でヒトミちゃんと公一が仲良くしていて、長太郎がやきもちを妬くという展開になっていたりします。公一はドラマでは「もやし」という仇名がありましたが、原作では先に書いたように色白で女の子みたいなので、「オンナノコ」と呼ばれていたりします。原作で公一が出てきたところからの長太郎のやり取りを読んでいると、ドラマでの長太郎と正彦の関係を髣髴させます。

例えば、公一とヒトミちゃんが仲良く下校しているのを長太郎がやきもちを妬いて、二人で可愛がっていた猫を取り上げて、長太郎が空へ投げてしまう場面があるのですが、その場面は以下のように書かれています。

「まずいよ桜間くん」
沢田公一がおっかなびっくりいった。みるとヒトミは、その場にしゃがみこんで、しくしく泣いていた。
「なにがまずいんだ」
「なにって……。だって、あのネコ、宮村さんのだったんだよ」
正直いって、長太郎もこれにはぎょっとした。長太郎は頭から公一のネコだと思い、男のくせに、ネコをだいているなんていやらしいやつだとばかりに、ネコをほうりなげてしまったのである。

この場面だけを読んでみても、原作の公一はドラマの正彦の方に印象が近い感じがします。

吉井正彦(草間光行さん)

東京から来た転校生。成績優秀、スポーツ万能。キザな性格で女子からの人気抜群なのは、原作もドラマも同じですが、原作ではこのように描写されています。

あさぐろくて、きりっとしまった顔をしていた。まゆ毛も太く、男らしいのである

また、ボクシングを習っているという設定もドラマにはない設定です。ドラマの5話で長太郎は茂とボクシングの試合をする事になりますが、これも原作で正彦が5年生の3学期に転校してきた後のエピソードで小学校を卒業したばかりの中学生になる前の6年生に因縁をつけられて、長太郎とヒトミちゃん、正彦が巻き込まれた『のしイカ作戦』の話が下敷きだと思われます。

ヒトミちゃんに絡んできた6年生をその場にいた長太郎が倒す時に、一緒にいたボクシングを習っているという正彦に加勢を頼むのですが、正彦は及び腰で加勢にきません。後日、長太郎は、正彦のボクシングは相手の攻撃を交わす為の護身術であるという事、積極的に長太郎と仲良くしようとしたのは、親の都合でしょっちゅう転校しているので、転校先のガキ大将とすぐ仲良くなって、いじめられない為というものだという事をヒトミちゃんと正彦から教えられます。

また、原作では、正彦の父親が父ちゃんの上司という設定はありませんが、礼儀正しくかっこいいので、原作でも桜間家人々からは感心され、慕われます。長太郎はそれが面白くなかったりします。この辺はドラマと同じですね。

松岡恵子(岡田ゆりさん)

ドラマでは正彦とは「はとこ」(またいとこ)の関係にある、恵子ちゃんですが、原作では二人は親戚関係にありません。原作で公一が登場する「ニャゴニャゴ作戦」から始まる、一連のネコ騒動の回で登場し、活躍してくれます。原作の恵子ちゃんには、アパートに住む姉がいます。この恵子ちゃんのお姉さんのアパートである作戦を立てて、長太郎達が活躍します。

また、ドラマの恵子ちゃんはお金持ち設定で、正彦とは、はとこ関係で自分の誕生日を兼ねて正彦を紹介していますが、原作ではそれがありません。原作の正彦も長太郎のクラスメイトの誕生日会で登場し、手品やピアノ演奏を披露しますが、それは、恵子ちゃんの誕生日会ではなく、ドラマには登場しない大きなお屋敷に住む中原栄子という女の子の誕生日会です。

この栄子は母親は無口でおとなしい娘の為、母親がやれ誕生日だ、やれ進級だと栄子の組の子招いて、娘に友達をつくろうとして、長太郎達を招くのです。この栄子の金持ちの設定が、ドラマの恵子ちゃんに入って、ドラマの恵子ちゃんがお金持ち設定になったのだと思います。恵子ちゃんの容姿については、特に「ふくよか」という描写はありません。

ここまでが、原作とは人物描写や設定に違いがあっても、原作にも登場してきた長太郎の同級生の面子です。次の二人は、原作には登場していません。また、同じ名前の人物もいません。

秋山小百合(大平佳奈子さん)

明子と一緒にいる事の多い女の子。三つ編みが特徴的。小百合の苗字である「秋山」は『俺はあばれはっちゃく』の台本にその記載があります。

小川明子(小宮山京子さん)

小百合と一緒にいる事が多い女の子。長太郎からは「目玉のお化け」なんて呼ばれている。正彦に対して強く関心があるようで、学芸会で長太郎が孫悟空にされた時など、「でも、正彦君の方がかっこいいわ」とか、52話では、少女マンガを読みながら「正彦君みたいな人が」と言っていたりする。

小宮山さんはヒトミちゃんのオーディションを受けていたとの事で、ヒトミちゃん役は落ちてしまいましたが、同級生の女の子の一人として、レギュラーが決まったのだと思います。恐らく、大平さんの小百合役も同じだと思われます。

初代では、ヒロインの友人は、恵子ちゃん、小百合、明子の三人ですが、2代目からは、太目の子と普通体型の子の二人になります。太目の子は恵子ちゃんの系統を受け継いだのだと思いますが、普通の子は小百合と明子を統一させて受け継がれていったのだと思われます。2代目では秋山和美ちゃん(伊藤月子さん)がそうですね。

和美ちゃんは年上の男性に対して惚れっぽい所がありましたが、これは明子の正彦に対する感情に近いものがあります。それと、和美ちゃんと小百合の苗字は同じですが、これも、和美ちゃんという人物が初代の小百合と明子を足した形跡(それとも単なる偶然)だと思っています。映像では確認できませんでしたが、台本の方でしっかりと、小百合の苗字は記載されていますので、スタッフも承知の上だと思われます。

また、小百合と明子は長太郎にも、ヒトミちゃんにも、ちょっといい気になると(『逃げろヒトミちゃん』の回)「何さ」という感じで冷たく接するところがありましたが、それも、受け継がれていて、こちらは、和美ちゃんに限らず、当初、転校生になる2代目以降の長太郎に対してレギュラー同級生全員にあったものでした。

それは、徐々に薄れていきますが、2代目に限らず、特に歴代のヒロインの女友達は、話の折に、展開上で長太郎に対して冷ややかな態度が目立っていたように思います。

実は、初代の小百合や明子はそうしたものが少ないのですが、小宮山さんと酒井さんの対談では、小宮山さんは明子を「長太郎君と遊ばないほうがいいよっていう役」と話していて、酒井さんも納得されているのですが、私の中では、2代目以降の女友達の設定の印象の方がお二人の間で強く残っていての発言だったのかなって思っています。

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