柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

山際永三監督のインタビュー

現在発売中の「特撮ニュータイプ1月号」を買いました。目当ては山際監督のインタビュー記事。特撮の雑誌の為に山際監督が関わった特に第2期のウルトラマン(主に「タロウ」)の話題を中心に新東宝時代など特撮関係の話が多かったのですが、その中でも、やはり山際監督と言えば特撮だけでなく、児童ドラマの監督しても有名な方なので、その話題も少し出てきました。

私としてはこちらの話題の方がどちらかといえば目当てでした。私の中で山際監督は「あばれはっちゃく」シリーズの監督という意識が強くあります。インタビュー記事を読んでいて思った事ですが、山際監督は型にはまった考えを嫌う人なんだろうなと思いました。山際監督は四方晴美さんが主演だった「チャコちゃん」シリーズの監督でしたが、おてんばなチャコちゃんから優等生の弟ケンちゃん(宮脇康之さん)が登場してきた辺りから、番組に対する情熱がなくなってきたと言います。

子供だからこそ出来るいろんな危ない事を大人の視点から規制していく、大人の思う優等生の良い子というのが、監督には子供らしさを出す事が出来なくて窮屈に感じていたのだろうなと記事を読んでいて感じました。私は2代目ケンちゃん(岡浩也さん)のケンちゃんしか知りませんが、このケンちゃんも典型的な良い子だった記憶があります。そんな監督にとって、「あばれはっちゃく」という作品は子供のやる破天荒な事が再び出来た作品だったりしたのかなと思ったりもします。(記事には「あばれはっちゃく」の作品名も出てきましたが、作品については語られていないので、この部分は私の推測になるのですが)

監督はオーディションをする時に児童劇団から推薦される子供は面白くなくて、自分から稽古場に行って名前を記録して指名をしてたのだそうです。オーディションでも台詞をしゃべらせるのではなくて、100メートル走って飛びついてみろとか、マッチで火をつけてみろと言ったりして、それができる子は『これはいける!』と思ったのだといいます。山際監督は、どこかに危険なものをはらんでいる子どもに惹かれるのだそうです。また、子どものセリフにはすごく神経を使っていて、子どもはこいう時にはこういう言い方をするっていうことを見ていて分かっていたので、脚本家が書いてくる子どものセリフは全部直していていたのだそうです。

あばれはっちゃく」を子供の頃に見ていて、それほど長太郎達のセリフに違和感を感じなかったのは、そこに理由があったりするのかなと思ったりもします。(吉田友紀さんが言っていた「あばれはっちゃく」ではアドリブが多かったというのも理由の一つだとも思いますが)以前、四代目のヒロインまゆみちゃん役の水澤真子さんのブログを読んだ時に水澤さんが9歳の時に山際監督と仕事した時に、「セリフは覚えてこなくてもいいから、流れだけは覚えてきてね」と言われた事を書かれていました。

監督にとって脚本に書かれたセリフというのは自然な子供のセリフとしては不自然で、細かく覚えてこなくても流れの中で自然にいえるような言葉の方が大事だったりしたのかなと今回のインタビュー記事と合わせてそう思いました。(それでも、その子供のセリフはやはり大人の山際監督から見た子供の言葉で子供も大人の山際監督に見られている意識を持っていた言葉だと思ったりもするのですが)最近、雑誌に登場した栗又厚さんもまた、「セリフは覚えてこなくてもいいから」と言われていたのを知ると余計にそう思います。

監督は子供は純真無垢というのを「ウルトラマンタロウ」の中で覆していきます。記事に紹介してあった「タロウ」の第11話は私も見た事がありますが、奇妙な余韻を引く話でした。私自身の子供の頃を思い出しても、子供なりに負の感情を持ち合わせ、大人たちを見ていました。それを思い出すと今私が思う幼い子供でも考えや心は大人と同じ物を持ち合わせている。悪い感情は何も考えていないというのは違うんだろうなと思ったりもしますが、なんというか大人になるとそういった汚れたような感情は子供には持っていて欲しくないなという感情を持ってしまい、そんな自分

を変だなと思います。多分、子供の頃の私が今の私の心を見たら、鼻で笑いそうです。

山際監督のインタビュー記事は読み応えがあって、ここに紹介しただけでなくもっと深く色々と話があるので、興味を持たれた方は是非発売中の「特撮ニュータイプ1月号」を読んで欲しいなと思います。

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