柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。

蝶たちの殺意の明君と教室205号の明君

かねてより楽しみにしていた「蝶たちの殺意」を見ました。怪しい人物が次々と出てきて樫山さんが演じた主人公と共に見ている方もその人物を疑ったりしていくのですが、疑われた人物達も肝心な所は言わなかったり、嘘を言ったりするので、その人物達の言葉を信じていいのか疑心暗鬼になっていきます。恐らく、この人が犯人だろう?と思っても、その人が犯人ではないというような展開もすぐ後にあって、気持ちが揺れ動き落ち着かなかったです。それぞれが、色々な現場を見ているのですが、肝心な所は見ていなくて、その肝心な所を悪い方へ推測していくので、余計に混乱していくのですね。このドラマでも吉田さん父親役の横内さんに張り倒されていましたね…。

受験に追い込まれた少年達の起こした行動がこの話の殺人事件の発端ですが、これを見て母親と思春期の少年との難しい関係性を描いた話だと思いました。明君の母親が父親に暴力を振るう明君を見て「あんな子じゃなかったのに…家庭内暴力も校内暴力も、うちには関係がなかったのに」と呟くのを聞いて、確かに分かっていた息子が分からない。自分の知っている息子であって息子ではないという母親のどうしようもない不安も感じました。この話の場合は殺人が絡んできて、しかもその被害者が息子の担任の先生でその殺人の容疑が息子にかかっているというので、普通の母親と反抗期の息子の関係とは一味も二味も違うのですが…、殺人を引いて見ると難しい年頃の息子と母親の関係の話だと見る事も出来ます。

見た直後に少しだけ書きましたが、このドラマで吉田友紀さんが演じた役が明君だと分かった時、私の中で吉田友紀さんが8歳の時に演じた「教室205号」の明君を思い出しました。同じ役名で同じ吉田友紀さんが演じたからというのもありますが、「教室205号」もまた親と子の関係を描いた話(映画)だったのも、「教室205号」の明君を思い出した原因の一つでした。私は「蝶たちの殺意」の明君を見て、なんて幸せな子なんだろうと思いました。母親にあんなに心配されて愛されて…なんて幸せなんだろうって。犯人だと疑われて自分の父親が犯人かもしれない、また、自分が友人とやった事が全ての始まりだと思っていた時の明君は母親に対して酷い態度や言葉を取っていて、それを見てなんて態度を母親にとるんだと思いました。

勉強、勉強と追い込まれて母親に酷い態度を取ってしまう。それでも、母親は本当に心から明君を心配し思っていました。その心配が鬱陶しいと感じ明君は終始怒鳴り立てていましたけれど、こんなに親に思われていいなと。確かにあの時期中学生の頃は親の干渉がうるさく感じる時期です。まして、明君の場合は普通と違うのですから。これは多分、私が今の年齢で見ているからそう感じたんだと思います。もし、昔に見ていたら明君よりの気持ちで見ていたと思います。最後に母親を心配し優しい言葉をかけた明君を見て母親が「あんな子じゃなかったのに」と言っていた理由も分かりました。

「教室205号」の明君は母親に関心を持ってもらえなかった男の子でした。それでも母親を恨んだりすることは決してありませんでした。両親が共稼ぎをしていて独りぼっちでいても「お家が欲しいの。パパとママは。だから一生懸命働いてお金を貯めるの」と言って両親の事を幼いながらにもちゃんと分かっていて、親を悪く言う事は決してありませんでした。年齢もあるかと思いますが、明君は明るくて本当にいい子でした。苦手な勉強を頑張って3人のお兄ちゃん達に怒られながら勉強して算数のテストで100点を取って、それを持って母親の所へ行った明君。でも、母親は明君に冷たかった。あの時の嬉しそうな明君の顔が戸惑いから悲しみに変化したのが忘れられません。

「教室205号」の明君は自分に関心がなく、大切にされなくても、母親が好きで母親を喜ばせる為に寂しい思いも我慢して、勉強も頑張ったのに、その頑張った明君を母親は邪険に扱ってしまった。母親も特に悪気はなくたいしたことではないと思っていたのかもしれません。あの後、明君が死ななければちょっとした日常の一部で、いつもの続きだったのかもしれません。でも、母親に冷たくされて明君は傷ついた心のままたった8歳で交通事故で死んでしまいました。母親に関心を持ってもらえなくて、一番大好きな母親に心を傷つけられて死んでしまった「教室205号」の明君その明君を思い出すと、私は「蝶たちの殺意」の明君が幸せで贅沢に見えてしまうのです。

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