柿の葉日記

主にドラマ『あばれはっちゃく』について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

背中

「俺はあばれはっちゃく」第33話で長太郎が浜松に帰った佐々木先生に会いにいき会えなくて帰っていく場面があります。長太郎は佐々木先生に学校に戻ってもらう為にクラスメイトの写真を取ってそれを持って先生に会いに行くのですが、先生は出かけていて会う事が出来ません。長太郎は先生の帰りを待つのですが、そこで先生の家の事情を知った長太郎は自分の気持ちを抑えて家に帰ります。

最初、長太郎は先生が辞める事に対して自分の気持ちだけしか考える事が出来ませんでした。

「どうして先生学校を辞めちゃうんだよ」

その気持ちの方が強くてきっと佐々木先生の事情や気持ちの方まで考えがいかなかったのだと思います。でも、佐々木先生のお母さんとあって話をして長太郎は佐々木先生の気持ちが良く分かったのだと思うのです。

先生が好きで美玉市から浜松まで小学生の男の子が一人で会いにやってきた。先生に辞めて欲しくなくて皆の写真を持って帰ってきて欲しいと、一緒に学校へ帰ろうと説得しようとしてやってきた長太郎がしばらく考えて

「僕、帰ります。いえ、いいいんです。これ先生に渡して下さい」

と自分の寂しい気持ちを抑えて帰っていく。この場面を見た時、長太郎がどれだけ佐々木先生を好きなのかが良く分かりました。

我儘を押し通すのではなく佐々木先生の為に帰っていく。寂しいけれど一緒にいて欲しいけれど、佐々木先生の事、佐々木先生のお母さんの事を考えて寂しさを我慢して家に帰る。その寂しさが夕暮れの背中の中に表れていて、顔の表情が見えなくても、言葉がなくても長太郎の切なさが伝わってきます。

この話では実家に帰る事を決めた佐々木先生が長太郎の事が心配で厳しく当たり、いつものように調子に乗った長太郎を佐々木先生が叩き

「どうしてお前は先生の気持ちが分からないんだ」

と言われて長太郎がショックを受けますが、佐々木先生が長太郎を叩いたのも長太郎がショックを受けたのも、やはり互いに信頼し合っていたらこそだったと思うのです。

この第33話では長太郎と佐々木先生の関係もそうですが、相手に自分の事を考えて欲しいと望む心はあるけれど、それ以上に大切な人の事を自分の事よりも考える人間の優しさというものがあるのだと言う事を教えてくれます。長太郎のそうした佐々木先生を思いやる心と寂しさが伝わる背中を見ていたからこそ、佐々木先生が母親に説得されて、美玉第一小学校へ戻ってきた時の長太郎達がどんなに嬉しかったかという思いが何倍にもなって私の心に伝わってきました。

常に元気で明るく前向きな長太郎でしたが、彼はこの第33話だけでなく、第11話でヒトミちゃんに無視された時、第41話でノリコちゃんと別れた時等、時に切ない感情を背中で語っていた事がありました。「強い」といってもこの時の長太郎はまだ小学5年生。こうしていろんな悲しさや切なさややりきれなさを超えて長太郎はより強くなっていったんだと思います。