柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

お父さんっ子

『気まぐれ本格派』の新ちゃんはお父さんっ子だったのかなと思う。利昌さんが交通事故で死んで誰よりも一番悲しみ、その原因を作った一貫を一時期激しく嫌っていたのは新ちゃんだった。新ちゃんは大好きなお父さんが一貫のせいで死んだ事を恨み、一貫に対して一時期物凄く冷たかった。そんな新ちゃんを見て袖子さんは怒った。

「叔父さんになんて事をいうの!」

 霧子は一貫を許すように促したりしていた。(でもなぁ…あの家は小学生の新ちゃんにいろいろと我慢を強いてる事が多すぎたような気がする。新ちゃんが出来すぎる子なんだよなぁ…)

「君、おつむがいいんだから分かるでしょ。あんなに中叔父さんの事好きだったじゃない。中叔父さんはいい人なんだから」

 それでも、新ちゃんは頑なに一貫を許さなかった。清水貸衣装店を大きくすると豪語した一貫を冷ややかに見て非難した。

「いくら、大きな事を言ったって中叔父さんにお父さんの代わりなんて出来ないんだよ!」

 新ちゃんは、それだけ利昌さんが好きで尊敬していたのだと思う。父親参観日の時に利昌さんが用事でどうしても行けなかった時に袖子さんが代わりに行こうとした事があったが、袖子さんは言っていた。

「あの子、私だと嫌がるのよ」

 また、袖子さんのお見合い話しが出た時に新ちゃんは言っていた。

「お母さんが再婚してもさ、僕はこの家にいようと思うんだ」

 新ちゃん自身は袖子さんの事を嫌ってはいないと思うが、それでもあまり袖子さんに執着していた訳ではなかったように思う。その代わりというのではないが、利昌さんが死んだ後の一貫に対する新ちゃんの態度を見ていると、新ちゃんはしっかりして清水貸衣装店の暖簾を守ってきた利昌さんをとても尊敬し、好きだったんだなと思う。

 第4話で新ちゃんが涼子さんから犬の結婚衣装の注文を取った時に、袖子さんも霧子も相手にしなかった新ちゃんの話を一貫が聞いて苦労してその衣装を作ってくれる人を見つけ出し衣装を用意してくれた時に、新ちゃんはようやく一貫を許してくれる。酷い事を言ってしまった事を袖子さんと一貫に少し照れくさそうに謝る新ちゃんはとても素直で可愛かった。それからは、新ちゃんは利昌さんと同じくらい一貫の事が(さらに)好きになり、一貫の誕生日会を企画したり、それで誤解して海に戻ろうとする一貫を泣いて引き留めたりしている。

「お父さんの代わりだって言ったじゃないか!それなのに僕を置いて一人で行っちゃうなんて、嘘つきだぞ!卑怯だぞ!」

 利昌さんが死んでしまってから新ちゃんにとっては一貫が利昌さんの代わりだった。父親参観日の事を忘れてしまった一貫に腹を立てたりもしたが、それでも慌ててギリギリで来てくれた一貫に答えた新ちゃん。

「別に怒っていないよ。ちゃんと来てくれたじゃない。すごい、遅刻だったけど」

 その新ちゃんに自分の事を作文に書かれてその発表を聞いて、喜んだ一貫。一貫にとっても、新ちゃんは可愛くて自慢の甥っ子でとても大切な存在だったと思う。
そして、そんな二人の関係を見ているときっと新ちゃんは利昌さんともそんな親子関係を築いていたんじゃないのかな?って思う。新ちゃんと一貫が釣り堀へ行った時に袖子さんが言っていた。

「あの人が生きていた時も、よく新太と一緒に行ったのよ」

 新ちゃんは一貫と一緒に釣り堀へ行ったように利昌さんと釣り堀へ行き、一緒に魚釣りをしていたのだろう。また、医者になってお父さんのような人を救いたいと思っていた事からも、新ちゃんにとって例え血の繋がりがなく、死んでしまったとしても利昌さんは大好きなお父さんだったに違いない。