柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

ヒトミちゃんの気持ち

 転校する事になったヒトミちゃんは様子がおかしくなる。長太郎もそんなヒトミちゃんを心配する。ヒトミちゃんが何故転校の事を直前まで隠していたのか、ヒトミちゃんは長太郎達友人の事が大好きで本当はこのままずっと一緒にいたかったのだと思う。転校の話をした後はきっといつもどおりに過ごしてはいても、もうじきお別れだというのを意識してしまう。一緒に歩いていた地面が割れてヒトミちゃんと長太郎達の立っている場所が別れてしまったようなそんな感じ。

 ヒトミちゃんは割れてしまった所に転校という事実を皆に知らせない事で、橋を架けていたのだと思う。そして、その橋はいずれタイミング(自分の気持ちに自分で整理がついた時)を見て自分で外そうとしたのではないか?と思う。いつまでも一緒にいたい。例えば今ここで消えたら、明確に別れを告げないままに存在が消えたら、いつまでも一緒にいられるのではないか?と考えていたのではないか?と考えてしまう。私の職場では辞める人が多いが違う部署の人だとある日突然姿を見せなくなって、聞くといつの間にか辞めていたりする。

 ちゃんとした別れの挨拶もなしに辞めていくので、こっちは単に休みだと思っていて今でも辞めたという感覚がない。ヒトミちゃんも明確に別れを告げずに消える事でいつまでも皆の中にいたかったのかもしれない。だから、スキ―の時にヒトミちゃんは一人何処かにいこうとしたのではないかと思ってしまう。長太郎が心配してヒトミちゃんを探してヒトミちゃんを叱る。長太郎がヒトミちゃんを叱ったのは珍しい事だが、好きだからこそ叱ったのだと思う。

 この時、ヒトミちゃんの中で気持ちの整理がついたのではないだろうか?長太郎によって出来た整理が長太郎によって乱されて、ヒトミちゃんは残念だったと思う。だから、「そんな時泣いちゃいけないって教えてくれたのは長太郎君なのよ」と言ったのかもしれない。別れの時に泣くなと長太郎はヒトミちゃんに教えてはいない。けれど、ヒトミちゃんは長太郎の態度からそれを感じ取っていたのかもしれない。二人は離ればなれになってそれ以後再会したのかどうかは分からない。

 いつも学校で会うのが当たり前だった人も今では会えなくなって二度と会えない人達もいる。子どもの頃は一期一会の意味をいまいち理解できなかったが、今になってみると人と人の出会いは貴重で大切にしなければいけないのだと思う。