柿の葉日記

主にテレビドラマ「あばれはっちゃく」について語る個人ブログです。国際放映、テレビ朝日とは一切関係がありません。

お金は大事だけどね

アバンタイトル

手製のはっちゃく号で走ってますね。自転車に被り物をしただけですが、長太郎の工作の力を見ることが出来ます。さすが、大工の父ちゃんの息子です。

本編

さて、さっそく学校から帰って来た長太郎が母ちゃんからのお使いのお願いです。
場面は変わって習字帰りのヒトミちゃん、恵子ちゃん、明子、小百合の場面です。しかし、女の子達の会話のきついこと。

「私、お習字好きになっちゃった」
「長太郎君は好きにならないのに?」
「当たり前でしょ!」

ああ、酷い。
それにしても、3話でお琴、11話のしつけ教室でお花とお茶、今回でお習字と和風ですね。
中国からきた文化でもありますが、それにしてもお金で小学生をいじめる中学生って何なんでしょ?
お金で物事を好きにする文太も性格に問題ありなんですけど、この話を見ていくと文太がお金で物事を解決してしまう原因が判明していきます。

長太郎もお使いで母ちゃんから預かった父ちゃんに届けるお金が失くしたことで、文太に足下を見られて文太に雇われてガードマンになってしまうあたり弱いんですけど、いざ、文太の命令で文太のお母さんをいじめなきゃいけなくなって、戸惑いを見せていると、普段長太郎が、正彦の伯母さん達にいたずらをしていても、特に理由がない場合には意味もなく暴力をしたり、いじめたり、いたずらするのには抵抗があるところが長太郎のいいところです。
長太郎がいたずらする時は、大人の側に問題があったりすることが多いのですけど、やりすぎだったりするんですよね。

あ、翌日、いじめられたヒトミちゃん達を守ったことを佐々木先生にほめられる長太郎ですが、ヒトミちゃんにパンダを見にいけなかったことを持ち出して、パンダのぬいぐるみを買う約束をします。
これは、パンダの話は4話のことだと思いますが、4話を書いたのは田口成光さん、今回の話も田口成光さんで、話が繋がっていますね。
雇われガードマンで、文太にいいように使われていて、文太の金や自転車を手にする手段がエグイ。

その前に、てるほと母ちゃんで父ちゃんに新しい洗濯機を買って欲しいと言っていて、物を買うのと、物を大事に使うのと、物を大事にしてきたけど、もう買い換えないと限界での、でも高い買い物をするののお金と物の大事さも、この話に絡ませています。
自転車を壊されて、金で解決した文太のことを知った父ちゃんは怒って、長太郎と一緒に文太の家に返しに行きます。
父ちゃんの一番嫌いな考え方ですからね。

文太の家は大金持ちで、文太の祖母は、父ちゃんの勤め先の支店長に顔が利くとかで、父ちゃんを脅しに掛かりますが、一瞬ひるむも父ちゃんはしっかり断って家に戻ります。
それとすれ違う形で、長太郎と父ちゃんの横を通るトラック。
それには、返した自転車があって、二人が家に戻る前に自転車が戻って始末。
父ちゃんも返されて、気持ちが揺らぎますが、今度は長太郎が怒って自転車を担いで自転車を返しにいきます。
長太郎、力持ちですね。

文太のお母さんは、文太の祖母に頭があがりませんでしたが、我侭で勝手な文太についに手を挙げます。
愛のムチですね。
文太が暴れて、家宝の屏風が偽物だと分かり、文太の祖母はショックを受けます。
文太を甘やかした祖母、それに何も言えなかった文太の母の関係が崩れて、正常に戻ったようです。
お金や権力で何でも思い通りに出来るとか、心がない謝罪でお金だけ出すのではない大事なことを感じた話でした。

収録DVD紹介

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD

母の日です

アバンタイトル

こうして、当時の放送日と合わせてDVDを見直すと、季節や時期を感じますね。前回のこどもの日の鯉のぼりの話もそうでしたが、今回は母の日が近く、母ちゃんがメインの話です。
アバンタイトルも芝生の青さが眩しくなっていきいきとした季節になってきました。長太郎の体力自慢と公一が面白く見ている姿が面白いです。

本編

母の日にちなんだ参観日からの話。ドラマオリジナルの話ですが、原作の母ちゃんの笑い上戸で顎が外れるという特徴もしっかり出した話になっています。
母ちゃんが着物が似合うので、母親の授業参観日には着物で来てと長太郎はリクエストしています。『俺はあばれはっちゃく』は2話で長太郎が恵子ちゃんの誕生日会に着物の一張羅を着たり、3話でヒトミちゃんが家でお琴の稽古をするために、赤い着物を着ていたりして、結構、着物を着ていますね。

学校に来る皆の母親の評価を長太郎達が口々にしています。それぞれの母親、正彦の場合は伯母さんですが、子ども達と釣り合っていて、本当に親子みたいに見えます。
外見だけでなく、校門前の言動からも母親達の性格が出ています。

母ちゃんが来ないまま授業が始まりますが、ギリギリで滑り込んできた母ちゃん。教室の入り口を間違えて、ヒトミちゃんの母親のいない正彦のことを思いやる言葉に目頭を押さえる母ちゃんの姿には、おっちょこちょいだけど涙もろくて優しい母ちゃんの性格が出ています。
それぞれの母親の自慢をすることになり、皆が公一も含めて、母親が喜ぶようなほめ言葉を並べる中、長太郎だけは朝に起きた母ちゃんの顎外しが特技だと自慢します。
一時は、佐々木先生のところに逃げ込んだ長太郎ですが、母ちゃんの優しさで家に戻ってきます。
それにしても、長太郎だけでなく家族みんなが騒がしくて、母ちゃんは疲れてしまって、自分から教養を身につけて模範を示そうとします。

長太郎には、他の人に出来ないことが出来ることが自慢なので、そう言っていて、家で父ちゃんやてるほに怒れてても意味が分からず、翌日にヒトミちゃん達にも同じことを指摘されて驚く長太郎。
こういうとこは、長太郎は他の人たちとズレていると思います。
母ちゃんは、ヒトミちゃんのママ、恵子ちゃんのママ、正彦の伯母さんに教育方針を聞きますが、自然体の母ちゃんとエリート意識が高いヒトミちゃんのママ達との価値観の違いが出ています。

長太郎も行儀が悪いのですが、ヒトミちゃんのママ、恵子ちゃんのママ、正彦の伯母さんも上から目線で失礼な物言いをしていますね。1話でてるほにドンペイを馬鹿にされた時も長太郎は怒りましたが、この時も正彦の伯母さんにドンペイを「駄犬」と言われて怒っていました。これが、長太郎のいたずらのする原因になって、一騒動起きるのですが、この騒動で母ちゃんの肝が据わった的確な行動が出て、母ちゃんの頼もしさが分かりますね。

あまりの騒動に今回は自らいたずらの反省をする長太郎。てるほが迎えに来て、家に戻ります。
母ちゃんの心の広さが分かります。
母ちゃんは今のままの、おっちょこちょいだけど涙もろくて、大変なときでもどーんと構えて心が広くて優しい母ちゃんで充分なんだなって感じた話でした。

この話は、母ちゃんの魅力が詰まっていますね。かあちゃんの「ひらめいた!」が聞けた珍しい回でもありました。

収録DVD紹介

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD

泳げ!鯉のぼり

アバンタイトル

ゲストの女の子と長太郎の2人。傷はメイクだと思いますが、生傷が耐えない長太郎ですね。長太郎役の吉田友紀さんが、DVDBOXにあるブックのインタビューで病院通いが多かったというのも頷けます。

本編

今回の話は、私が『俺はあばれはっちゃく』の全話の中で2番目に大好きな話です。それにしても、正彦の鯉のぼり揚げにみんなを呼んできて、一番の功労者の長太郎を吹流しに例えるヒトミちゃんって……。
先に鯉のぼりにみんなを例えたのは、正彦なんですけど、正彦はヒトミちゃんと自分をお父さん鯉とお母さん鯉に例えた後は、他のみんなはそれ以外って言っているんので、自分とヒトミちゃん以外は平等に扱っているんですよね。
ヒトミちゃんの言葉にのって、長太郎に追い討ちをかけるのが公一。

正彦の鯉のぼり自慢で、先に言い出したのが正彦なんで錯覚しがちなんですが、長太郎をけなしたのはヒトミちゃんと公一であることは間違ってはいけないなって、正彦も好きな人がいることを知って、正彦を長太郎の恋敵として見るだけではなく良いところを見るようにしているんですが、こういう細かいとこも気をつけてみないとなって思います。

さて、正彦の鯉のぼりに負けまいと、長太郎も鯉のぼり自慢をするのですが、実際は持ってない長太郎。そこへ、父ちゃんの恩師の大熊先生が訪ねてきて、長太郎の作戦が始まります。この作戦、原作では違う話でヒトミちゃんが取った作戦の1つなんです。原作にある事件を放送日の1979年5月5日の放送に合わせて巧く取り入れて、季節柄の話にしたところがお見事です。脚本は山根さん。
父ちゃんの大熊先生を演じている太宰さんは、『男はつらいよ』の映画シリーズにタコ社長として既に認知度が高くあった俳優さんで、長太郎の鯉のぼりを買って欲しいという事情を聞いて、長太郎と共に

「男はつらいの」

って言っているところは、これはもう『男はつらいよ』を意識した言葉だと思います。
父ちゃんをおだてて鯉のぼりを買ってもらおうとした長太郎も、ヒトミちゃん達が来たときのテープをてるほが再生して、それが父ちゃんの悪口部分にあたるところだからさあ大変。

この後の、長太郎と大熊先生の寝床での会話はとても好きな場面です。申し訳ないと思った大熊先生が長太郎に自分の家までの地図を渡して、鯉のぼりを渡すことを約束します。
その地図が筆で描いた巻物みたいで、宝の地図のようです。
長太郎にとっては、鯉のぼりは宝物ですものね。大熊先生との約束で電車にもバスにも乗らずに、かなりの距離を走ったり、ヒッチハイクをしたりして、満身創痍で大熊先生の家を目指す長太郎。

一方、長太郎の家に来た正彦達の言葉から、母ちゃんは大熊先生のところへ行ったと推測した母ちゃん。長太郎が大熊先生のところに辿り着いたときに母ちゃんの連絡を受けてきていた父ちゃんが待っていました。
大熊先生の長太郎が約束を守ってきたことをしっかりと褒めてくれる大熊先生。長太郎をいたわる父ちゃんと優しい大人達に見守られているのを感じます。
大熊先生が長太郎に渡したのは、大熊先生の戦死した息子さんの鯉のぼり。

時代を感じます。1979年は、1945年に日本が敗戦してから、34年後のこと。
まだ、敗戦が今よりも近い時代です。それでも、子ども達にとっては生まれる前の知らない時代の話。
戦争の記憶がしっかりとある世代が多かった時代、それとなく大熊先生の言葉は戦争を二度としてはいけないということを伝えていると感じます。

海辺で父ちゃんと長太郎の言い合いも双方に愛情があって好きな場面です。
苦労して持ってきた鯉のぼりは穴だらけで、長太郎は母ちゃんに修復を頼みますが、自分でやるようにとてるほの言葉に徹夜で長太郎が繕います。ここで、長太郎は家庭科が得意とてるほが言うのですが、通信簿の数字は体育以外は悲惨だったので、てるほの母ちゃん助けのための長太郎をおだてるための言葉だったかなって思います。

長太郎の見事な鯉のぼり揚げにきた、ヒトミちゃん達。正彦の負け惜しみが鯉のぼりの素晴らしさを逆に語っています。

「穴だらけじゃないか!」
「でも、長太郎君らしいわ!すてきよ」

今度は、ヒトミちゃんが褒めています。最初に長太郎を「吹流し」と言った人と同一人物とは思えませんね。ヒトミちゃんは案外と思ったことをストレートに言う性格だなって思います。
次回は、母ちゃんが中心の話。来週は、母の日が近いですからね。
この予告を見ると、次回の話の中との間違いがあるのに気がつきます。実は、15話の予告の中に16話でないと成立しない箇所があるのです。それで、ああ、もうこの時点で16話までの撮影が終わっているんだなって分かります。
これは、本放送の時とかには気がつかない点かなって思いました。

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俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD

佐々木先生の恋

アバンタイトル

バッティングセンター。長太郎1人舞台かと思えば、公一が登場。

本編

第13話の脚本は、市川靖さんです。
日曜日に岩崎先生の頼みで長太郎たちを引き連れて、小さい子達と遊んでいます。佐々木先生が長太郎を「遊びの天才」と岩崎先生に褒めています。
どうも、佐々木先生は今日呼んで来た長太郎、公一、ひとみちゃん、恵子ちゃん達を特別としています。
この話も子どもの頃に見ていて、覚えていた話でした。

長太郎とひとみちゃん、男の子と女の子の恋愛に対しての差を見ることが出来る話です。
長太郎のほうがやや子どもっぽい印象を受けます。恋愛に対しての興味、憧れは小学5年生にして、長太郎も、ヒトミちゃんもませているって思うんですけど、ヒトミちゃんのほうがデリケートというか、よりませているように感じます。

長太郎の無神経さが出ているというか、いいところでてるほが来て、長太郎にヒトミちゃんのデリケートな気持ちを教えています。ここは、さすがのてるほです。
この話で、佐々木先生の赴任した年が分かります。てるほが、

「私が入学したときにきたから」

と、答えているので今のてるほが中学2年ということで、美玉市立第一小学校にきて8年になることになります。
在任期間が長いと思いますが、私の中学の担任の先生は9年同一中学に在任されていたので、まあ、普通かなって思います。
それにしても、夕食の場でも父ちゃんと母ちゃんは惚気ていて、仲がいいですね。
こういう両親の惚気を見せられて、長太郎とてるほは育っていったんでしょうか?

それにしても、翌朝、長太郎に振り切れたようにいうヒトミちゃん。

「佐々木先生に岩崎先生はもったいない」

まで言って、そういうことで気持ちの折り合いをつけているように感じます。
この話を最後まで見ていくと分かるんですが、好きな人に他に似合う相手が出てきたり、好きな人がいた場合に傷ついた心と向き合い、好きな人に向きあうか?という人それぞれの態度、気持ちへのショックの対処が見られます。

長太郎は、ヒトミちゃんが好きなので、佐々木先生への憧れの心を持っているヒトミちゃんが前向きになってくれたことで安心していますが、佐々木先生が岩崎先生にいいように使われてるのを見て、怒って抗議します。
それで逆に佐々木先生に怒れてしまうのですが……。
佐々木先生の下した判断は、長太郎の言葉に賛成です。ほんとうに、ただのお人よし。

それにしても、大人の問題に首を突っ込んで、恋愛事情に入り込んでくる長太郎ですが、長太郎自身もヒトミちゃんに恋しているので、どうもこういう自分の気持ちを誤魔化していこうとする大人達にじれったさを感じてしまうようです。
こういう誤魔化して逃げてしまう姿が岩崎先生のお父さんは気に入らなかったようです。
長太郎の真っ直ぐさ、夕食での父ちゃん達の惚気の話が素直に正直に誤魔化さなかったのが、この話の解決の糸口になっていきます。

下手な小細工よりも、本当の気持ちにと覚悟を見せた姿が、岩崎先生のお父さんの気持ちを動かします。岩崎先生のお父さんの懐の広さを感じてしまいます。
人の正面や自分の気持ちを誤魔化して逃げるのではなく、正々堂々とぶつかる大切さが伝わってきます。
この後の佐々木先生へのフォローもしっかりあり、佐々木先生が長太郎をからかう余裕もあるようです。
翌日、佐々木先生のお嫁さん募集のポスターを貼る長太郎。ここで、佐々木先生のフルネームが判明するのですが、この名前途中で変わります。
年齢は30歳とあり、こちらはそのまま受け取っていいでしょう。

人を好きになるのって、軽く傷ついたり、少しの勇気と、それなりの覚悟がいるんだなって感じた話でした。

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俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD

勉強と運動

本編

ドッジボールの練習風景から始まる12話。長太郎がクラス対抗の練習をクラスメイトと約束が出来るかと通りかかった佐々木先生の呟き。練習風景を見ていると、長太郎と正彦の2人のボールの投げあいになっていて、正彦の運動神経の良さもみてとれます。
社会科の宿題が多くて、長太郎の約束を反故するクラスメイト。正彦が代表してみんなの気持ちを代弁しています。

「いくらドッジボールがうまくても、君の将来には関係がないよ」

正彦の言葉のほうが正論なんですけど、約束を破っちゃうのもどうかなって思う訳です。宿題を多く出されても約束を守るっていうのは、なかなか難しいとこですね。これが、佐々木先生を頼ってきたオカダさんの問題と関係して、話が進んでいきます。
それにしても、オカダさんは中央高校の偏差値の高い佐々木先生の高校の後輩という設定なのですが、小学校の先生の佐々木先生に相談するより前に他に相談する先生はいないのかなって思ったりもします。

長太郎を心配して、公一が長太郎の家に来ていて長太郎のランドセルを受け止めます。母ちゃん以外で長太郎の投げたランドセルを受け止めたのは、この時の公一が初めてですね。また、公一のことを「もやし」と呼んだのもここが最初かな。
勉強もドッジボールもどちらも出来るようにと、オカダさんの利用を思い立つ長太郎。
これが、後で長太郎に痛い目を見せます。
こういうズルはダメですね。一時的に問題が解決しても長期的に見れば自分のためにならないし、宿題を自分でやらないことで自分の学力として身につかないのだから。

一方で、オカダさんはオカダさん自身の悩みにぶち当たっています。宿題、勉強よりもドッジボールを選んだ長太郎の勉強をサポートしたオカダさんですが、本人は部活のハンドボールと勉強のどちらを選ぶかの岐路に立っているようです。その悩みから、部活にいくかいかないかで先輩から叱責されているオカダさんはハンドボール部のエース。オカダさんはオカダさんの事情から、長太郎の約束を反故にしてしまう。
長太郎は今度は、オカダさんに約束を破られるわけです。勉強と破られる約束が畳み掛けてきます。

長太郎はこなかったオカダさんに代わって、公一と宿題をするのですが、出来ないので正彦のとこへいきます。
正彦は正彦で父親から学校の勉強、宿題とは別に中学生の英語の勉強をしていて怒られながら勉強をしていて、たくさんの宿題をこなす一方で別の勉強をしているので、この頑張りはすごいなっておもいます。
 翌日、長太郎と公一の宿題を写した者たちは佐々木先生の叱責を受けて、放課後のドッジボールの練習は禁止、居残り学習です。
宿題は自分でやらないと意味がないという佐々木先生の言葉。
昨日、一昨日と多く宿題を出したから、今日はドッジボールの練習をする時間を設けようとしていた佐々木先生。

オカダさんも練習をサボっていた影響で、部活でも活躍が出来ずに先輩から叱れています。
勉強も運動もどちらも一生懸命やらなければ、自分の力にならないということがこの話の一本の筋になって通っています。
勉強だけでも、運動だけでもダメ。
オカダさんは受験勉強と部活活動に悩んで佐々木先生のとこに相談しに来たオカダさん。
悩んでいたオカダさんが長太郎のお陰で立ち直れるきっかけを作ってもらえたという佐々木先生。

長太郎は

「よく分からない」

って言ってますが、確かによく分かりません。
長太郎は約束を破ったオカダさんに当り散らしたとこがあって、でも、小さいことで悩んでプライドが傷つけられたことで、闘志が燃えたという意味なら、佐々木先生の言うとおりなのかもしれません。

次回予告は、長太郎が真正面を見てこちらに語りかけていて、背景の黒板は長太郎が12話の話の中で問題を解いた時の黒板のままですね。
勉強と運動の両立。
それをするには、かなりの辛い努力が必要ですが、それが出来てこそ、出来なくても取り組む姿勢が人生に大きく関わっていくのだなって感じた話でした。

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俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

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  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD

この時期からコンタクトレンズあったんだ

本編

第11話。これを見たときに、「コンタクトレンズってこの時からあったんだ」っていう感想を持ちました。
この話で、これまで助監督だった川島さんが監督デビューされています。
しつけ塾の話で、しつけの先生として西田健さんが小田原という役で登場しています。
てるほの高校受験、正彦の中学受験で塾が多く話に出ていますが、「しつけ塾」で作法を教えるのは珍しいと私は感じました。
ここで、正彦から仲間外れ宣言。
ヒトミちゃんの嫌味もきいています。
恵子ちゃん、明子、小百合の笑い声も意地悪です。
夕暮れでハーモニカをふく長太郎と散歩にきたドンペイの姿が悲しいです。

「あなたが優しいいい子になってくれたら、また遊んでやってもいいけど」

ってすごい上から目線。
長太郎はヒトミちゃんのためなら、自分の意に合わないことでも果敢に挑戦していきますね。
父ちゃんに頼むんですが、父ちゃんの言い分が長太郎が公一を塾に行くから遊んでくれない、塾なんてと貶していたのと同じことを言ってるので、父ちゃんと長太郎の基本的な考え方は同じなんだなって思いました。
しかし、この父ちゃんの考え方や長太郎の自分の性格を分かった上で自分の希望を畳み込んでいくあたりを見てると、長太郎の頭の回転、機転の良さを感じて頭の回転や人の言葉をしっかり聞き取っていくところはかしこいと感じます。

しつけ塾に通うことになり、生け花をヒトミちゃん達とやるのですが、早速、小田原先生と衝突して塾をやめて帰ってきますが、先に小田原先生の電話で事の次第を知った母ちゃんからビンタをされます。
母ちゃんが長太郎を叩くのは珍しいです。
暴れん坊じゃない優しいいい子になって欲しいという、今度は母ちゃんの頼みに長太郎は塾に戻ります。
この辺りが長太郎の優しさで、既にもう優しいいい子なんですよね、長太郎は。

感情や言葉が少し雑なだけで、乱暴ではないし、納得すると素直にだし、ただ直感に優れているので胡散臭いと感じると反抗心が大きくなるのが長太郎だなって思います。
それに生け花の騒動の小田原とのやり取りを聞くと、長太郎が現実主義な部分があるんだなって思います。
しつけ、礼儀を教えている人間が人の道理を外れているところの皮肉。
それと、その小田原の正体が分かるくだりは、コミカルで分かりやすくなっています。

長太郎が長太郎らしさをなくすような塾の先生が実は……、という展開は都合がいいように感じますが、見かけや立派なことを隠れ蓑にして悪いことをしている人と正直で素直に生きている長太郎の対比で、人を思いやるのはどういうことかってのを見せているなって思います。
長太郎が公一と喧嘩した時に佐々木先生が諭した言葉がこの騒動の話の中で語られているのがいいですね。
佐々木先生はこの話の冒頭しか出てきませんが、ちゃんと話のポイントというか核の部分を話しているんですよね。
でもなあ。恵子ちゃんが太っているって本当だけど、お菓子を食べる理由や小田原の正体をあぶりだす前段階だとしても、サラッと恵子ちゃんを傷つけているなってところは、まあ、長太郎も子どもだったなとか思うんですけれどね。
続く、12話の予告も

「塾、塾って」

って言ってるので、この頃の塾へ関心が高かったのかなって思います。

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俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

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  • 発売日: 2005/03/25
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アバンタイトルにヒトミちゃん

アバンタイトル

第10話。4月の放送ですが、アバンタイトルの川原の草は枯れていますね、まだ寒い時期の撮影だと分かります。

本編

今回は、第1話に登場した朝比奈のじいさんの再登場です。朝比奈のじいさんは、原作にも登場し、この10話も原作の話があります。とはいっても、朝比奈のじいさんの孫の話だけが共通点で、内容は殆どオリジナルです。
原作の話をドラマでいい具合に織り交ぜているので、原作を読むと、ああ、ここの部分とここの部分を混ぜたのだな、ここは変更したんだなって分かります。一番わかるのは、朝比奈のじいさんの孫が娘から、小さい男兄弟に変更になっていることです。

しかし、第1話ですっかり長太郎を気に入って、息子家族とうまくいってないからと、自分の孫がいるのに長太郎を孫にしたい、杯を交わしたいところから、立会人にヒトミちゃんを選ぶとか、結婚とかまで発展する長太郎って想像力が豊か過ぎます。
ここで、長太郎が初めて剣道の防具と竹刀を持っていて、後に3代目の前に『あばれはっちゃく』のスペシャルで剣道をしていた姿を思うと、感慨深いですね。

息子夫婦と頑固じじいの朝比奈じいさん、そのじいさんに遠慮して息子家族に会うことを我慢していたおあばさんも、長太郎の加勢も合わせて、日ごろの我慢を吐き出しています。
朝比奈のじいさんが息子と仲が悪くなった理由が、女性の下着会社に就職したからというもの。
それに対して、

「女の下着がなきゃ、ヒトミちゃんが風邪をひいてしまうわ」

っていう長太郎が前回の女性の下着に興味なし、あくまで実用品として必要なものとして下着を捉えているところが徹底していますね。
この10話の脚本が紅一点の三宅直子さん、女性蔑視の古い考えの朝比奈のじいさんと、女性が必要なものを大事にすることが笑いの中で、しっかり示されているなって感じます。
朝比奈のじいさんは、顎を外しますが、これは母ちゃんの定番。このおかげで治し方をしっている長太郎が朝比奈のじいさんより優位に立ちます。第1話の怖い印象の朝比奈のじいさんと比べると、頑固ではあるけど腰は低いですね。
長太郎に相談して口髭を切って、孫達に愛想を振りまく朝比奈のじいさんですが、孫達は父親をいじめた祖父である朝比奈のじいさんを嫌います。にこにこ顔で接しろとのアドバイスにかなり無理な笑顔作りをしていて、健気だなって思います。
長太郎が孫達の気を引くために、コマ回しをしますが、このあたりも、まだ古い遊びが現役で生きているなって感じます。

朝比奈家の問題の中でも、長太郎の正彦へのヒトミちゃんの仲を嫉妬して気にするところも外さず、それを公一がからかうところも『俺はあばれはっちゃく』の恋の物語をしっかりやっていますね。それまでは、公一は長太郎と恵子ちゃんを付き合わせようとしていましたが、ここで長太郎の気持ちに気がついたようです。
長太郎の活躍で、息子家族と和解して、最後のオチに長太郎のヒトミちゃんとの婚約の杯をさせようと騙して連れてきた長太郎ですが、あっさりふられてしまいます。
和装の結婚、婚約をイメージするところも、これまでの一張羅の着物と同じく和風だなって感じます。日本人なので、当然かな。
それにしても、ヒトミちゃんの青い、水色かなのワンピースは綺麗で可愛くてとても似合っているなって思います。

視聴率について

『俺はあばれはっちゃく』はこの10話で視聴率が10%に届いたそうです。(DVDBOX2吉田友紀さんインタビューより)
第1話が5.4%だったと考えると、2ヶ月で二桁の数字になり、後に20%を裏に強力な番組を持ちながら達成したのですから、すごいことだと思います。1979年、当時、東京では、TBSの『大橋巨泉クイズダービー』が30%超え、日テレの巨人戦は新人江川の入団で視聴率がたかった時代でした。

収録DVD紹介

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

俺はあばれはっちゃく DVD-BOX 1

  • 発売日: 2005/03/25
  • メディア: DVD